2025年08月28日(木)
藤野日華莉さん(遺愛女子高等学校_2年生)
Luke 株式会社―歯周治療への新アプローチ―
はじめに
歯周病はどうしてできるの?・歯周病菌が溜まるから
・お菓子を沢山食べるから
・生活習慣が悪いから
実は…
全部違います!
今回は、国内のシーズから治験と認可を突破し、患者さんへ実用されている日本歯科業界初の歯科医療機器ブルーラジカルについて、Luke 株式会社さんを取材させていただきました。
現在、注目されている歯周治療へ新たなアプローチを始めたLuke 株式会社さんの取り組みについて紹介します。
1.歯周病とは?
歯周ポケットに取り付いた菌がバイオフィルムを形成し、組織液を栄養にしながら侵食していく→白血球が集まる
⇩ 歯肉炎
炎症が歯槽骨まで菌が近づき、毒素がどんどん溜まると自分の体が歯を溶かし始める
⇩
歯周病
⒉ブルーラジカルの歯周治療
歯周病は菌が溜まるからできる!そうではなく…
プラークが堆積する=歯周病の「本当の原因」は口の中に興味がなくなることです。
このことに注目したLuke 株式会社さんは「ペリミル」(人へのアプローチ)と「ブルーラジカル」(歯へのアプローチ)を連携させ、主に重度の患者さんにアプローチを始めました。
3.ブルーラジカル
ブルーラジカルはバイオフィルムの中に入れた過酸化水素に青い光を当てることによって、ヒドロキシルラジカルという一番反応性の高い活性酸素を作り出し、菌を酸化させることで殺菌しています。
※遺伝子レベルまで菌が殺菌されるので薬剤耐性の心配がない青い光: UVと赤外線の間にあるVis (目に入っても被害のないギリギリの光)口腔内では3%しか過酸化水素を使えず、バイオフィルムに対して3%ではなかなか効きません。
そこで光を当てることにより、過酸化水素は分解され、ヒドロキシルラジカルを2つ生成し、バイオフィルムへの効果を大きくできます。
そのため、歯科衛生士さんも重度の歯周病が治療できるようになりました。
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また、ブルーラジカルの開発には超音波振動に耐える先端部を作るために日本のものづくりの技術を取り入れています。
4.治療後の口腔ケア
ブルーラジカルは歯周病の進行を止めるための治療機器であり、治療後は歯磨きを続けることが重要です。今後はどのようにして口腔ケアを続けさせられるかが課題となります。
つまり、脳科学と行動科学を駆使することが大切です。
そこでブルーラジカルと連携し開発したのが「ペリミル」というスマートフォンアプリです。
ペリミルは歯科衛生士が患者さんがしっかりと歯磨きしているかをモニタリングできるアプリです。
Luke 株式会社さんは「ペリミル」と「ブルーラジカル」2つで1つの治療を提供しています。
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さいごに
歯周病は全身疾患にも関連する重大な病気です。取材を通して、口の中への興味が続くように、小学生のうちからデンタルフロスの定着を促したり、正しい歯磨きの仕方や歯周病についてをもう少し詳しく教えることができると感じました。
また、Luke さんは歯周治療のことをペリ(=歯周病)ケアとポップな名前にすることで、若年層でも治療について話題にできるようになって欲しいとおしゃっていました。
予防意識が高まってきているからこそ、このように口腔ケアについて歯周病になる前からより多くの人が抵抗なく関心を持てる方法も研究していきたいと思いました。

取材先:Luke株式会社
取材日:2025年8月28日(木)
取材日:2025年8月28日(木)