高校生&大学生による_KAPOK JAPAN株式会社様への会社取材No.6

2023年11月22日(水)

青柳 伶さん(北海道科学大学高等学校_3年生)

みなさんこんにちは!北海道科学大学高等学校3年の青柳伶です!
みなさんは「カポック」という言葉を知っていますか?
「カポック」はこれからのファッション界において重要な役割を果たします。
今回はそんな「カポック」の繊維で服を作っているKAPOK JAPAN株式会社さんに7月22日にオンラインでお話を聞きました!

・カポックとは?
 カポックは主にインドネシアに自生する高木の一種であり、その木の実の中には綿毛のような繊維が詰まっています。



その繊維は、コットンの1/8という非常に軽く柔らかい素材です。
また、吸湿発熱素材でもあるため寒い地域でも体温を保持することが可能です。
しかし、カポックは加工が難しいため、なかなか実用化されることはありませんでした。
ですがKAPOK  JAPAN株式会社さんの特殊加工によって薄くて軽く、暖かい繊維を作ることが出来ました!

カポック繊維の軽さは繊維の構造と密度に起因しています。
カポックの繊維は中空の管のような構造を持っていて、これらが材料の軽量化に大きな役割を果たしています!

また、カポックの中空構造がもたらす絶縁効果により、断熱性にも優れています!
中空の空気層は熱の伝導を防ぐことによって、それらが断熱性を高める要因になっています!



先ほど、カポックは吸湿発熱素材であると書きましたが、そもそも吸湿発熱とはなんでしょうか?
カポック繊維における吸湿発熱とは、空気中の水分子が繊維に吸着して熱が発生し、その熱を利用することによって、繊維が温かく保たれることを指します。
上の図にある通り、空気中の水蒸気が凝縮して、液体に戻るとき(水分子が繊維に付着したとき)カポック繊維は、それらのエネルギーを熱エネルギーとして放出します。
それに、カポック繊維は中空率が80%とのことで、表面積が大きく、水分子が付着しやすいのも特徴です!
これらの仕組みがカポック繊維の温かさの秘訣なんですね!

カポックは木の実から綿毛を取り出すので、木を伐採しなくて良いのです!
このようにカポックは環境にも優しい繊維なのです!

 KAPOK JAPAN株式会社さんでは現地で仕入れたカポック繊維で服を作り、それをKAPOK  KNOTさんのオンラインストアで販売しています。
カポックノットさんでは、商社を介さずに自社でカポックの生産から販売まで行っています!
カポックノット代表の深井喜翔さんは、実際に現地まで足を運び、カポックの素材を選別(カポックには約150種の品種があり、その中の質の良い1種だけを選別!)し、さらに生産者の労働環境が悪くないか、などの確認を行いました。
深井さん自ら生産の過程を確認することで、販売までの行程が可視化され、生産者、消費者、共に安心して生産、購入ができます。

カポックの収穫時期は9月前後で、収穫時期だけ農園で働く‘シーズナルワーカー‘という方々がいます。
普段は牛を飼育している方、旬のものを栽培している方、出稼ぎで農園に来られた方など、いろいろな職種の方々がシーズナルワーカーとして働いています。

 まだまだ日本では価格が重視されやすいですが、カポック繊維で作られた洋服が広まれば「カポックなら多少高くても買う!」という人が増えていくと思います。
私はファッションに興味がありますが、洋服が作られる過程や環境に優しいか、などといったことは考えたことはありませんでした。
しかし、今回の取材を通して、生産者の方々の労働状況や環境に配慮しているか、そういったことを考えていかなければならないと強く実感しました。

 今回の取材を受けて下さったKAPOK JAPANの深井喜翔さん、長い間サポートして下さった野々山先生、中島さん、ガリポン先生、小柳津さん。
本当にありがとうございました!
 
取材先:KAPOK JAPAN株式会社
取材日:2023年7月22日(土)
 

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