高校生&大学生による_住友ベークライト株式会社様への会社取材No.11

2025年04月21日(月)

吉原朱音さん(遺愛女子高等学校_2年生)

高分子の力で“おいしさ”を守る
~住友ベークライト株式会社 様 取材記録~

「スキンパック」とは、スーパーなどでよく見かける、食品や商品をピッタリと透明フィルムで包んだパッケージの事です。
このフィルムに包まれたお肉は他のフィルムで包装されたお肉に比べて、肉の保存日数を延長することができます。
「おいしさ」「ながもち」「きもちいい」を実現させた住友ベークライト様のスキンパックフィルムの秘密にせまります。

スキンパックフィルム

スキンパックは4つの機能層が含まれる多層フィルムです。
このフィルムによってお肉のドリップを抑えることができます。



酸素バリア層に含まれるEVOH(エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂)には、外部からの酸素の侵入を抑制する働きがあります。



提供:住友ベークライト株式会社


提供:住友ベークライト株式会社

上図のように、分子間結合によって高分子鎖が凝集し自由体積が減ることで、酸素バリア機能を発現します。
バリア性のあるフィルムでスキンパックすることで酸素存在下で活性化する微生物の動きを抑制することができます。
他のパックフィルムと比べて、の鮮度が長く保たれるのはこのためです。
 

真空パックとスキンパック

真空パックとはフィルムの硬さに違いがみられます。
真空パックのフィルムは硬く、食品にピタッと密着することができず、硬いフィルムが押し当てられたお肉からドリップが出て、しわ部分に溜まってしまうという問題が発生します。
一方で、スキンパックのフィルムは架橋処理を行うことで耐熱性が高く加熱成形ができるため、
内容物をパックする際にフィルムが柔らかくなっています。そのため、内容物を押しつぶさずに
ピッタリと追従し密着することができるのです。
また、スキンパックは肉汁を保持して低温で長く保存できるため成熟効果で美味しさがアップします。
 

「きもちいい」

ラップトレー包装から、紙板とスキンパックに変更したことで、プラスチックごみの20%削減可能です。
スキンパックのフィルムは製造時の廃プラスチック類、工場で出たパック時の端材フィルムの残りは、サーマルリサイクルをしたり、マテリアルリサイクルに取り組んでいます。

スキンパックのニュースサイト
 

おわりに

今回の取材を通して、私たちが日々目にしている包装の裏側に、様々な技術と工夫がある事を知りました。
食品を安全に、美しく届けるために、高分子の性質を活かしたスキンパックは今後ますます必要な技術だと思います。
スキンパックの良さを多くの方に知ってもらえるように、まずは身近な家族そして友達に教えてあげたいと思います。
野々山様、中島様、住友ベークライト様、今回はこのような機会を設けて下さり本当にありがとうございました。


 
取材先:住友ベークライト株式会社
取材日:2025年4月21日(月)
 

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