2025年06月04日(水)
椎名萌々香さん(遺愛女子高等学校_3年生)
みなさんこんにちは!遺愛女子高等学校3年の椎名萌々香です。
突然ですが、みなさんはアイスクリームが好きですか?
アイスクリームは、スーパーやコンビニで手軽に購入できる上に、そのおいしさによって私たちに安らぎや満足感を与えてくれる人気のスイーツです。
多種多様なアイスクリームが販売されている中、特に、森永製菓さんのロングセラーアイス「チョコモナカジャンボ」は幅広い世代から人気を集めています。
そこで今回は、『チョコモナカジャンボのおいしさの秘密』について、森永製菓株式会社さんに取材をさせていただきました。
(1)アイスクリームの構造
アイスクリームは、脂肪球やタンパク質、未凍結部に含まれる多糖類などの成分と、氷結晶、空気からできています。アイスクリーム中の気泡が、脂肪球で覆われている事によって、内部に含まれる空気が安定化し、凍っているのに氷のように固くならず、口当たりがなめらかになります。
また、未凍結部をいかに凍りづらくするかが氷結晶・気泡安定などの保存性や、食感・口溶けなどの嗜好性につながっており、未凍結部に含まれる多糖類の働きが大きく関わっています。

転載元:太陽化学株式会社 HPより
【未凍結部に含まれる多糖類】
未凍結部に含まれる多糖類には安定剤・ゲル化剤・増粘剤があり、主に使用されているのはローカストビーンガム(LBG)、グァーガム、タマリンドなどの種子多糖類です。
これらは保存性や嗜好性を保つ役割を担っていると考えられていますが、実際のところ詳しいメカニズムは未だ解明されておらず、現在研究が進められています。
森永製菓さんでは、LBGの効果検証と他の安定剤との挙動比較を行なっています。
チョコモナカジャンボのアイスクリームは成形することに重点を置いており、そこに安定剤が機能していますが、形が崩れにくいものほど味が落ちてしまう傾向があるため使用する安定剤の割合や種類などの調整が重要になっていきます。
森永製菓さんの研究結果によると、保存性に効く、弱いゲルを形成するLBG・グァーガムの最適な比率を発見したそうです。
ある程度ゲル化することでアイスクリームの状態を維持させ、冷凍下で霜が出ることを防ぎます。
また、チョコモナカジャンボの特徴的なパリパリモナカのための、モナカの吸湿遅延にも影響していると言われています。
(2)チョコモナカジャンボの構造
【チョココーチング技術・チョコの壁】パリパリモナカが特徴的なチョコモナカジャンボにはモナカの吸湿対策技術が欠かせません。
モナカのパリパリ食感をできるだけ長持ちさせることを目指した製造技術で、開発には5年かかったそうです。
アイスクリームとモナカの水分差がかなり大きいため、アイス部分に含まれる氷が昇華し、モナカに水分が移行してしまいます。
その対策として、
①モナカとアイスの接触面からの水分移行をブロックするためにチョココーチング技術を取り入れ、
②モナカ側面の隙間をチョコ壁技術によって塞ぐことでアイスから少しずつ出る水分をシャットアウトしています。
【チョコレートの成分】
チョコモナカジャンボの中のチョコレート成分にも、さまざまな工夫がされています。
油脂の固化スピードをコントロールすることで、チョコレートを適度な柔らかさにし、アイスクリーム全面に均一にコートできるようにしています。
また、ひび割れを防ぐため、冷凍下でのチョコレートの固さにもこだわりがあるそうです。
その上、チョコレートの中にセルロース繊維を入れる事で、水分キャッチが可能になり、モナカの吸湿遅延にもつなげています。
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このように、チョコモナカジャンボのおいしさを作る技術には、沢山のこだわりが詰まっているということが分かりました。
世代を超えて愛され続ける大ヒット商品「チョコモナカジャンボ」は、森永製菓さんの多大なる研究と努力の結晶とも言えますね!
これからのチョコモナカジャンボの進化にも目が離せません!
最後に、取材を受けてくださった森永製菓株式会社の西村さん、窪さん、溝田さん、松田さん、サポートしてくださった野々山先生、中島さん、大変貴重な機会を有難うございました。

取材先:森永製菓株式会社
取材日:2025年4月2日(水)
取材日:2025年4月2日(水)