2022年06月01日(水)
南 美羽さん(市立札幌開成中等教育学校_5年生)
「環境が変化していくこの時代に、なぜ日本はバイオエコノミーをやらないんだ!」という思いから7年前に立ち上げられた会社があります。それは、アイーコンポロジー株式会社さんです。
アイ-コンポロジー株式会社さんはどのようなバイオエコノミーを行っている会社なのか、4月1日にオンライン取材を行いましたので紹介していきます。
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アイ-コンポロジー株式会社さんは海洋生分解性複合材料であるBiofade(ビオフェイド)を開発しました。
Biofadeは難しいとされていた海中での生分解が可能です。
木や竹などのバイオマスフィラーと海洋生分解性のポリマーを組み合わせることで、海に流れ出しても概ね1年以内に分解することができますが、配合により海水中でもっと長く使用できる製品を作ることも可能です。
バクテリアが分解したプラスチックは水と二酸化炭素になります。
さらに、木粉などのバイオマスとバイオマスが原料のプラスチックから作られたバイオマス複合プラスチック材料ですので、高いカーボンニュートラルを実現しています。
また、成形性が改善され、写真のように一般的なプラスチックと同じような射出成形や中空成形などによって幅広い製品を作ることができます。

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海中で生分解ができるという特徴を活かして、浮き玉などの漁具や養殖具を作る試みもしています。
実は、プラスチックごみの46〜59%は漁業ごみだと言われています。
海に漂う漁具の細かい破片を魚が飲み込んでしまうケースもあり、とても深刻な問題です。
海中で生分解をすることのできるBiofadeを使うことで、海の環境を綺麗に保つ事ができるようになります。
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良いところだらけのBiofadeですが、「バイオマス資源を確保するために森林伐採を行っているなら、環境に悪いのでは?」と思った人もいるでしょう。
しかし、そんなことは全くありません。
林野庁によると、2016年に変更された「森林・林業基本計画」では年間の木質バイオマスの発生量が800万トンとありますが、2016年はその9%程しか使われていません。
つまり、より多くの間伐材や端材をバイオマス資源として使用することで森林保全に貢献していると言う事です。
また、食品ロスになっているコーヒー豆もバイオマス資源として活用しています。
アイ-コンポロジー株式会社さんは2019年度「STI for SDGs」アワードを受賞しました。
これは、科学技術を用いて社会課題を解決する優れた取り組みに贈られる賞です。
特に以下の8つの目標を推進しており、世界的に取り組んでいるSDGsの解決の力にもなっています。

以上より、これからの未来に求められるプラスチック素材はアイ-コンポロジー株式会社さんのBiofadeのような素材だと分かります。
地球を守るためには、プラスチックごみ問題の解決が不可欠です。
みなさんも、ぜひ環境に良いプラスチック素材を進んで使用して下さい。
取材に協力して下さったアイ-コンポロジー株式会社さんありがとうございました。
参考文献
・アイ-コンポロジー株式会社
・国立研究開発法人科学技術復興機構
・林野庁
取材先:アイ-コンポロジー株式会社
取材日:2022年4月1日(金)
取材日:2022年4月1日(金)