第73回高分子学会年次大会初日 6月5日(水)11時45分から開催 株式会社糖鎖工学研究所 KHネオケム株式会社 ランチョンセミナー「機能性ペプチドの抗体医薬品への応用」の参加者申込を開始しました。

第73回高分子学会年次大会参加登録者であればどなたで参加できます。

https://member.spsj.or.jp/event/index.php?id=590

よりお申込できます(昼食が主催者より提供されます)。

また、費用などは必要ありません。

趣旨 生体高分子であるペプチドは、医薬品の主流となっており、同じく生体高分子である抗体の製造および高機能化といった分野で、目覚ましい発展を遂げています。今回、ペプチドと抗体といった分野を日本抗体学会の会長である鹿児島大学 伊東祐二先生にお越しいただき、「抗体結合性ペプチドの高機能化材料、抗体医薬品への応用」と題し、最前線の研究を講演していただきます。是非沢山のご参加をお待ちしております。
プログラム 11:45~11:50 糖鎖工学研究所からのご挨拶

11:50~12:30 【講演】抗体結合性ペプチドの高機能化材料、抗体医薬品への応用
講演者
鹿児島大学大学院理工学研究科理学専攻化学プログラム・教授
伊東祐二 先生

講演概要
ペプチドの材料分野への応用として、バイオミメティック材料、環境応答性材料、自己組織化材料等の研究がなされている。本発表では、IgG抗体に特異的に結合するペプチド(IgG-BP:17残基、分子内SS結合を含む)もしくはZ34Cペプチドを、(1)抗体精製、(2)抗体の材料への固定化、(3)抗体医薬品の高機能化に応用した研究成果について紹介したい。
 従来から抗体精製には、プロテインAカラムが汎用されてきたが、(1)では、これに代わる新たな抗体精製システムをIgG-BPを使って開発した。ランダムペプチドファージライブラリから単離同定したIgG-BPの改変により、高親和性かつ耐アルカリ性を有すIgG-BPをデザインし、これを樹脂に連結することで、抗体精製用アフィニティ樹脂の開発に成功した。(2)では、IgG-BPのArg8にアミノ基反応性の官能基を導入することで、抗体とIgG-BPを混合後、速やかに、抗体がIgG-BPにより部位特異的に修飾されるCCAP法を開発した。この方法は、方向を揃えた形で機能的に抗体を材料表面に固定化することを可能にする。(3)では、Z34抗体結合ペプチドを用い、IgG抗体のFc上のLys248に部位特異的に生体直交性の官能基アジド基を導入するtCAP法を開発した。この方法では、抗体に抗ガン剤などのペイロードを定量的に導入することが可能になるため、抗体薬物複合体への応用を進めている。
 以上の研究紹介を通して、機能性ペプチドの産業利用の現状での課題、更なる応用につい議論したい。