高分子分析・計算科学の原理
・技術と装置メーカーリスト

高分子材料・有機材料・無機材料・有機化合物などの構造や特性に関する分析法及び計算科学の原理・技術と装置メーカーや
ソフトウェア/ツールのベンダーなどを紹介しています。

2024.4.01 更新

分子構造の分析法

核磁気共鳴分光法(Nuclear Magnetic Resonance: NMR)

【測定できること...分子構造 / 立体規則性 / 共重合組成 / 分岐構造 / 分子運動 / コンホメーション / 分子間パッキング / 分子配向 / 高次構造 / 電子状態】

核磁気共鳴分光法 (Nuclear magnetic resonance: NMR) は有機、無機、低分子、高分子、生体等、あらゆる物質の分子構造を原子レベルで、さらに非破壊で解析することが可能です。観測可能な核種と観測できない核種がありますが、多くの核種の測定が可能です。有機化合物や高分子化合物、生体系の主要元素である水素、炭素、窒素のNMR測定は日常、頻繁に行われており、無機系でも、Al, Siをはじめ、多彩な測定が可能です(実際には測定が極めて困難な核種も多いのですが…)。自分が目的とした分子が合成されているかがわかるので、合成系の研究室には専用、共用を問わず必ずNMRがあり、多くの企業でも材料系、製薬系等を問わずNMRを保有しています。さらに高分子化合物の立体規則性、共重合組成や連鎖、さらには末端基、分岐等の構造を調べることもできます。通常の測定は溶液状態で行われますが、気体でも超臨界状態でも固体状態でも、結晶であっても非晶状態であっても、あらゆる状態での測定が可能です。そのため、架橋前後のゴムの測定や、溶媒に溶けない材料の測定も可能です。気体での測定を利用し、多孔性材料の空孔部分の解析なども可能です。

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元素分析(Elemental Analysis: EA)

【測定できること...サンプル試料の元素組成比 / 炭素の存在確認 / 水素の存在確認 / 窒素の存在確認 / 硫黄の存在確認/純度評価】

元素分析(Elemental analysis)は有機化合物中の炭素、水素、窒素、硫黄などの組成比を求める手法です。サンプル試料の有機化合物を完全燃焼することで、二酸化炭素、水、二酸化窒素、二酸化硫黄が発生します。これら(または、変換した誘導体)の検出と重さの評価をすることで、もとの試料に含まれるそれぞれの元素成分の割合を求めます。別の分析手法により、用いた試料の分子量が求まるので、元素分析から求めた組成比から分子式を決定することができます。高分子材料や金属有機構造体(MOF:Metal Organic Frameworks)など身の回りの様々な物質の分析にも応用することができます。

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質量分析法(Mass Spectrometry: MS)

【測定できること...分子量 / 分子量分布 / 分子構造 / 末端基 / 共重合組成 / 連鎖分布 / 微細構造】

質量分析法(Mass spectrometry; MS)は、原子または分子をイオン化して、それらを高真空中で加速し、電場や磁場の中を移動させて、各イオン種の質量による場との相互作用の違いを利用して、分離・検出する分析手法です。その結果観測される質量スペクトルから、化合物の分子量、分子式、および化学構造などに関する情報を得ることができます。

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紫外・可視分光法(Ultraviolet-Visible Absorption Spectroscopy: UV-VIS)

【測定できること...試料が吸収する光の波長 / 試料が吸収する光量 / 溶質の濃度 / 反応速度 / 膜厚 / 配向状態 / 会合状態】

UV-Vis(紫外可視)吸収測定では、試料に紫外線もしくは可視光を照射し、そのとき照射波長を連続的にスキャンしながら、試料が吸収する光量(吸光度)を測定します。測定結果は、横軸に波長、縦軸に吸光度をプロットしたグラフ(吸収スペクトル)として得られます。UV-Vis吸収測定は、その吸収極大波長から測定対象の電子準位間のエネルギー差を求めるほか、さまざまな物質の定量分析に広く用いられています。

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フーリエ変換赤外分光法(Fourier Transform Infrared Spectroscopy: FT-IR)

【測定できること...分子コンフォメーション / 分子配向 / 分子パッキング / タンパク質高次構造 / 結晶多形 / 薄膜構造解析 / 表面モルフォロジー / 官能基判別】

フーリエ変換赤外分光器(FT-IR)は、高分子の高次構造や分子集合系の分子配列構造を、結晶化度の程度によらず、分子コンフォメーション、分子配向、などの構造パラメータを通じて定量的に議論可能な吸光分光法です。分子間距離にも極めて敏感で、結晶多形の識別や定量にも適用することができます。また、高い測定感度を持っているため、自己組織化膜やスピンコート膜などの超薄膜の解析に利用できます。さらに、透過法、反射吸収法、ATR法、外部反射法、MAIRS法など豊富な測定モードにより解析の範囲を広げることもできます。

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蛍光分光法(Fluorescence Spectroscopy)

【測定できること...蛍光スペクトル / 励起スペクトル / 三次元蛍光スペクトル / 蛍光量子収率 / 臨界ミセル濃度 / 細胞の温度分布】

蛍光とは、物質に光を照射し、そのエネルギーにより得られる発光のことです。蛍光を発する分子の中には、分子がおかれている環境(温度や溶液の成分濃度)に応答して、蛍光強度や蛍光色を変化させる分子が存在します。こういった分子を利用した臨界ミセル濃度の測定法および細胞の温度分布イメージングについて紹介します。

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ラマン分光法(Raman Spectroscopy)

【測定できること...一次構造の同定 / 分子配向 / 分子鎖への応力 / コンホメーション / 結晶度】

ラマン分光法 (Raman spectroscopy) は、分子鎖の置かれた微視的な環境を計測する手法です。官能基の定性や定量のような化学分析の他に、分子配向や結晶度、コンホメーション変化や微視的な応力負荷状態など、高分子鎖の微視的な構造情報を得ることができます。レーザー光を使用するので、非破壊かつ非接触で、試料形態によらず、1g程度の少量の試料でも分析可能です。測定時間も一般に数秒程度なので、延伸過程などの動的な測定も適しています。

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円二色性(Circular Dichroism: CD)

【測定できること...立体構造 / 立体配置 / 立体配座 / 高次構造 / αヘリックス / βシート / ランダムコイル / ラセン構造 / ねじれ / 光学純度】

円二色性(Circular Dichroism: CD)は、試料(光学活性物質)に右回りおよび左回りの円偏光を照射し、その吸収の差を測定して立体構造を解析する手法です。タンパク質やDNAなどの生体高分子は、高次構造に由来する特徴的なスペクトルを与えるため、スペクトルの形状から溶液中の構造を簡便に解析できます。さらに、2個の発色団をもつねじれた構造の未知サンプルは、励起子理論に基づいて絶対配置を決定することもできます。また、シグナル強度を利用して光学純度を測定することもできます。

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光散乱法(Light Scattering: LS)

【測定できること...モル質量 / 回転半径 / ビリアル係数 / 流体力学的半径 / 粒径分布 / 浸透圧 / 相関長 / 形状因子 / 構造因子】

光散乱法(Light Scattering: LS)は、溶液に照射された可視光の入射光と同じ波長をもつ弾性散乱光の強度(静的光散乱)や、その強度の時間変化(動的光散乱)を、様々な角度で観測する手法です。静的光散乱からは、溶液中の高分子(粒子)のモル質量のほかに、粒径に対応する回転半径、そして分子間相互作用に対応するビリアル係数などを測定できます。動的光散乱からは、流体力学的半径、そしてその分布が測定できます。SECなどのクロマトグラフィーと組み合わせることにより、絶対分子量およびその分布が得られます。類似の手法としてX線散乱法、中性子散乱法があります。

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ガスクロマトグラフィー(Gas Chromatography: GC)

【測定できること...高分子の同定 / 共重合組成の解析 / 連鎖解析 / 微細構造解析 / 架橋構造の解析】

熱分解ガスクロマトグラフィー(熱分解GC)は、不活性ガス雰囲気下での高分子試料の瞬間的な熱分解と、そこで生じたフラグメントのGC分離をオンラインで連結した分析手法です。この熱分解GCでは、不溶性試料を含むあらゆる形態の高分子試料を、通常、何の前処理操作も必要とせずに0.001から0.01 mgというごく微量用いるだけで、その定性、組成分析や分子構造解析を行うことができます。

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表面構造の分析法

接触角(Contact Angle)測定

【測定できること...接触角 / 表面張力 / 表面自由エネルギー / 親水性・疎水性 / 撥水性 / ぬれ性】

接触角測定では、高分子材料の表面に液体を接触させ、その液滴表面と材料表面とのなす角(接触角)を測ります。一般に液体として水が用いられ、その接触角から高分子材料表面の親水・疎水性を評価できます。接触角は高分子材料と液体の表面張力(表面自由エネルギー)によって決まりますので、表面張力が既知の液体を用いると高分子材料の表面自由エネルギーを求めることができます。表面分析法の中で最表面の性質を評価できる汎用的方法です。

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フーリエ変換赤外分光法(Fourier Transform Infrared Spectroscopy: FT-IR)

【測定できること...分子コンフォメーション / 分子配向 / 分子パッキング / タンパク質高次構造 / 結晶多形 / 薄膜構造解析 / 表面モルフォロジー / 官能基判別】

フーリエ変換赤外分光器(FT-IR)は、高分子の高次構造や分子集合系の分子配列構造を、結晶化度の程度によらず、分子コンフォメーション、分子配向、などの構造パラメータを通じて定量的に議論可能な吸光分光法です。分子間距離にも極めて敏感で、結晶多形の識別や定量にも適用することができます。また、高い測定感度を持っているため、自己組織化膜やスピンコート膜などの超薄膜の解析に利用できます。さらに、透過法、反射吸収法、ATR法、外部反射法、MAIRS法など豊富な測定モードにより解析の範囲を広げることもできます。

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X線光電子分光法(X-Ray Photoelectron Spectroscopy: XPS)

【測定できること...材料表面の元素の同定 / 材料表面の化学状態の分析 / 表面組成解析 / 表面近傍の深さ分析 / 材料表面のイメージング】

X線光電子分光法(X-Ray Photoelectron Spectroscopy: XPS)はESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)とも呼ばれる表面分光法の1つで、材料表面にどのような元素が存在するかについての情報を提供します。また、原子の化学状態も分析できるので、ポリマーブレンドや共重合体膜表面における組成解析も可能です。さらには、光電子の放出角を変えることで、最表面から10nm程度の深さ領域において、組成などの深さ分布も取得できます。近年では、クラスターイオンビームを用いたソフトなエッチングの併用や、放射光からの硬X線を光源とした測定により、さらに深い領域までの解析も可能となっています。

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走査型電子顕微鏡法(Scanning Electron Microscopy: SEM)

【測定できること...表面凹凸観察 / 粒子形状観察 / 空孔構造観察 / 表面元素分析】

走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope: SEM)はナノ~マイクロメートルサイズの形状や表面凹凸を電子線の照射により可視化する顕微鏡で、ナノ粒子、マイクロ粒子、膜・基板表面、複合材料、ファイバー形状、空孔構造などを観察することができます。通常、高真空下での観察となりますが、光学顕微鏡より小さな形状を見ることができます。また、蛍光X線を検出する検出器を搭載することで、特定箇所の元素分析や元素マッピングも可能になります。

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原子間力顕微鏡法(Atomic Force Microscopy: AFM)

【測定できること...表面構造 / 弾性率 / 粘弾性 / 凝着力 / 力学物性分布 / 構造ダイナミクス】

原子間力顕微鏡法(Atomic Force Microscopy: AFM)は様々な環境下(真空・大気・溶液)で高分子材料の表面構造や組成、力学物性(弾性率、粘弾性、凝着力)の分布をナノスケール分解能で可視化したり、力学物性の定量解析ができる手法です。また、高速化技術の進展により、高分子の構造動態をリアルタイムに撮影することも可能になりました。

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分光エリプソメトリー(Ellipsometry)

【測定できること...膜厚 / 誘電関数 / 屈折率 / 消衰係数 / 配向パラメータ / 転移温度 / 相対密度】

薄膜を用いた光・電子デバイスを研究対象とするとき、通常、その薄膜の膜厚や屈折率などの光学構造を決定する手法が必要となります。特に薄膜の膜厚が可視光の波長のオーダーに近い場合は、薄膜の膜厚や屈折率に応じて光の干渉現象が複雑に起こるため、その影響を正しく見積もる上でも、膜厚や屈折率の決定は非常に重要です。
分光エリプソメトリーは、基板上の薄膜に照射した光の偏光状態の変化から、薄膜の膜厚や屈折率などの光学構造を逆算する分析手法です。光の偏光状態という限られた測定結果からこれらの光学構造を逆算するために、まず薄膜の誘電関数をモデル化し、その誘電関数を用いて光の偏光状態の変化について理論的な光学計算を行います。この光の偏光状態に関する計算結果と実験結果との差ができる限り小さくなるよう、誘電関数モデル内のフィッティングパラメータを数値的に最適化することで、薄膜の誘電関数が決定されます。得られた誘電関数から、膜厚の光学定数(屈折率と消衰係数)が算出されます。また、光学異方性のあるモデルを用いることで、光学定数の異方性や配向パラメータを評価することも可能となります。さらに、加熱しながらエリプソメトリー測定を行うことで、膜の転移温度や相対密度変化を追跡することも可能です。

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電気泳動光散乱法(Electrophoretic Light Scattering: ELS)

【測定できること...電気泳動移動度 / ゼータ電位 / ゼータ電位分布 / 等電点】

電気泳動光散乱法は(Electrophoretic Light Scattering: ELS)は、コロイド溶液に電場をかけた際に、等速で移動する分散質の速度を散乱される光から測定することで、電気泳動移動度(Electrophoretic Mobility: EPM)を求める手法です。例えば、EPMはSmoluchowskiの式を用いる事でゼータ電位に変換することができます。一般に、ゼータ電位は微粒子の表面電位と見なされるため、微粒子の分散状態を予測する事ができます。

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表面張力(Surface Tension)測定

【測定できること...表面張力 / 表面自由エネルギー / 臨界ミセル濃度(CMC)】

液面を縮めようとする力である表面張力は、単位面積あたりの表面エネルギーで表されます。そのため表面張力は「エネルギー/面積」の次元を持ちますが、一般的には「力/長さ」の次元で表され、mN/m(ミリニュートン毎メートル)という単位が使用されます。水に両親媒性物質を溶かすと、気―液界面に吸着して表面張力は低下します。この現象を利用して臨界ミセル濃度(CMC)を決定できます。

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表面力(Surface Force)測定

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内部構造の分析法

光学顕微鏡法(Optical Microscopy)、蛍光顕微鏡法(Fluorescence Microscopy)

【測定できること...材料表面 / 二次元形状 / 細胞・細胞内小器官 / 分子分布 / 経時変化】

光学顕微鏡(Optical microscope)や蛍光顕微鏡(Fluorescence microscope)は、材料や細胞の二次元形状を、主に“直接観察する”ために用いられます。材料や細胞に光を照射し、透過もしくは反射する光を二組の凸レンズで拡大観察することによって、形状や分子の分布、それらの経時的な変化(タイムラプス)などの情報を得ることができます。

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偏光顕微鏡法(Polarized Optical Microscopy)

【測定できること...複屈折 / 位相差 / 光軸 / 分子配向 / 相転移 / 結晶構造 / 液晶性】

偏光顕微鏡(Polarized optical microscope)は、2枚の偏光板が備わっている光学顕微鏡です。この顕微鏡では、試料に直線偏光を入射した際の偏光状態の変化を光の明暗や色として観察できます。偏光状態の変化は分子配向や結晶構造を反映しているため、高分子の内部構造を評価することができます。さらに、温度調節機器と組み合わせることで相転移挙動の観察が可能です。偏光顕微鏡による観察は高分子の研究において欠かせない分析方法の一つです。

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透過型電子顕微鏡法(Transmission Electron Microscopy: TEM)

【測定できること...相分離構造 /トポロジー / 曲面形態観察 / 分子形態 / 粒子径 / 粒径分布 / 元素分布 / 化学結合・分子振動状態】

透過型電子顕微鏡法(Transmission Electron Microscopy)は、ポリマーアロイ、結晶、有機・無機ハイブリッド材料などの高分子材料内部の階層構造を、サブナノメートルの分解能1をもって、ナノメートルからミクロンスケールの空間スケールで可視化するための顕微鏡法です。最先端TEMを用いれば、元素識別、化学状態(結合や分子振動状態)観察、3次元ナノ観察も可能です。

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走査型電子顕微鏡法(Scanning Electron Microscopy: SEM)

【測定できること...表面凹凸観察 / 粒子形状観察 / 空孔構造観察 / 表面元素分析】

走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope: SEM)はナノ~マイクロメートルサイズの形状や表面凹凸を電子線の照射により可視化する顕微鏡で、ナノ粒子、マイクロ粒子、膜・基板表面、複合材料、ファイバー形状、空孔構造などを観察することができます。通常、高真空下での観察となりますが、光学顕微鏡より小さな形状を見ることができます。また、蛍光X線を検出する検出器を搭載することで、特定箇所の元素分析や元素マッピングも可能になります。

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共焦点レーザー顕微鏡法(Confocal Laser Scanning Microscopy: CLSM)

【測定できること...ゲルの網目構造解析 / マクロドメイン構造解析 / 高分子の局在解析 / 一分子解析 / 細胞の構造解析】

共焦点レーザー顕微鏡(Confocal Laser Scanning Microscopy: CLSM)は、高分子材料の内部構造を三次元的に観察することができます。例えば、高分子ゲルを観察すると、ポリマー濃度の高い領域の反射像を得ることができます。また、蛍光分子を高分子に化学修飾することで、蛍光標識高分子の材料内部の分布や細胞内部での局在を観察することができます。

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X線散乱法(X-Ray Scattering)・X線回折法(X-Ray Diffraction)

【測定できること...原子・分子の構造 /原子・分子の集合体によるメゾ構造/ 形状 / 分布 / 界面構造 / 構造体間の平均距離】

X線散乱法とは、試料に対してX線を入射することで、散乱したX線を検出器で得る手法です。散乱する角度により、オングストロームからナノメートルのサイズ・形状・構造相関などを非破壊で得ることができます。さらに、例えば小角X線散乱法(SAXS)は透過型である一方で、斜入射小角X線散乱法(GISAXS)は、非破壊で薄膜の内部や界面の深さ方向のナノ構造を調べる方法であり、薄膜試料内部の構造情報を測定できます。

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中性子散乱法(Neutron Scattering)

【測定できること...ナノメートルスケールの構造 / 粒子径 / 粒径分布 / 粒子形状 / ミクロ相分離構造 / 液晶構造 / ゲルの網目 / 不均一性 など】

小角散乱法は、測定対象試料中の散乱長密度(中性子の散乱長密度、原子散乱因子(電子密度))の空間的な揺らぎ(構造)により散乱される中性子(X線)の干渉を計測し、溶液中の高分子の広がり、水溶液中でのタンパク質のサイズや形状、ミセルの構造(サイズや形状、その分布)、ミクロ相分離構造(周期、モルフォロジー)、結晶ラメラ、ゲルの網目構造、ナノ粒子の凝集状態などに関するナノメートスケールの構造を非破壊で観測する手法です。

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分離・精製方法

高速液体クロマトグラフィー(High Performance Liquid Chromatography: HPLC)

【測定できること...ランダムコポリマーの組成分析 / ブロックコポリマーの組成比解析 / オリゴマーの分離 / 異種ポリマー混合物の分析】

高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法によりカラムとの相互作用の差を利用して、極性の異なる低分子量物質を分けることができます。この方法を高分子に応用することにより、極性の異なる異種ポリマーや極性の異なる多種類のモノマーからなるコポリマー等を分離、分析することができます。

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ゲル濾過クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography: GPC)・サイズ排除クロマトグラフィー(Size Exclusion Chromatography: SEC)

【測定できること...分子量 / 分子量分布 / 分子量変化 / 化学構造変化 / 相対分子量 / 絶対分子量 / 分取GPC】

ゲル濾過クロマトグラフィー(gel permeation chromatography: GPC)は、高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography: HPLC)の一種であり、溶媒中における高分子のサイズ(分子量)の違いに由来して多孔質のカラム固定相への保持時間(retention time)の違い(分離)が生じることで、高分子の分子量、分子量分布の測定が可能です。高分子の分子量変化を伴う反応の追跡や分取(分子量分割)にも用いられます。

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ゲル電気泳動(Gel Electrophoresis)

【測定できること...核酸分離・分析 / タンパク質分離・分析 / 相互作用解析】

ゲル電気泳動は(Gel Electrophoresis)は核酸やタンパク質等の生体分子を高分子ハイドロゲル中において電気泳動し、分子サイズに依存した泳動度の違いを利用して分離・分析する方法です。また、分子間相互作用を移動度の変化によって評価することもできます。

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定量分析法

紫外・可視分光法(Ultraviolet-Visible Absorption Spectroscopy: UV-VIS)

【測定できること...試料が吸収する光の波長 / 試料が吸収する光量 / 溶質の濃度 / 反応速度 / 膜厚 / 配向状態 / 会合状態】

UV-Vis(紫外可視)吸収測定では、試料に紫外線もしくは可視光を照射し、そのとき照射波長を連続的にスキャンしながら、試料が吸収する光量(吸光度)を測定します。測定結果は、横軸に波長、縦軸に吸光度をプロットしたグラフ(吸収スペクトル)として得られます。UV-Vis吸収測定は、その吸収極大波長から測定対象の電子準位間のエネルギー差を求めるほか、さまざまな物質の定量分析に広く用いられています。

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蛍光分光法(Fluorescence Spectroscopy)

【測定できること...蛍光スペクトル / 励起スペクトル / 三次元蛍光スペクトル / 蛍光量子収率 / 臨界ミセル濃度 / 細胞の温度分布】

蛍光とは、物質に光を照射し、そのエネルギーにより得られる発光のことです。蛍光を発する分子の中には、分子がおかれている環境(温度や溶液の成分濃度)に応答して、蛍光強度や蛍光色を変化させる分子が存在します。こういった分子を利用した臨界ミセル濃度の測定法および細胞の温度分布イメージングについて紹介します。

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高速液体クロマトグラフィー(High Performance Liquid Chromatography: HPLC)

【測定できること...ランダムコポリマーの組成分析 / ブロックコポリマーの組成比解析 / オリゴマーの分離 / 異種ポリマー混合物の分析】

高速液体クロマトグラフィー(HPLC)法によりカラムとの相互作用の差を利用して、極性の異なる低分子量物質を分けることができます。この方法を高分子に応用することにより、極性の異なる異種ポリマーや極性の異なる多種類のモノマーからなるコポリマー等を分離、分析することができます。

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ゲル濾過クロマトグラフィー(Gel Permeation Chromatography: GPC)・サイズ排除クロマトグラフィー(Size Exclusion Chromatography: SEC)

【測定できること...分子量 / 分子量分布 / 分子量変化 / 化学構造変化 / 相対分子量 / 絶対分子量 / 分取GPC】

ゲル濾過クロマトグラフィー(gel permeation chromatography: GPC)は、高速液体クロマトグラフィー(high performance liquid chromatography: HPLC)の一種であり、溶媒中における高分子のサイズ(分子量)の違いに由来して多孔質のカラム固定相への保持時間(retention time)の違い(分離)が生じることで、高分子の分子量、分子量分布の測定が可能です。高分子の分子量変化を伴う反応の追跡や分取(分子量分割)にも用いられます。

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ガスクロマトグラフィー(Gas Chromatography: GC)

【測定できること...高分子の同定 / 共重合組成の解析 / 連鎖解析 / 微細構造解析 / 架橋構造の解析】

熱分解ガスクロマトグラフィー(熱分解GC)は、不活性ガス雰囲気下での高分子試料の瞬間的な熱分解と、そこで生じたフラグメントのGC分離をオンラインで連結した分析手法です。この熱分解GCでは、不溶性試料を含むあらゆる形態の高分子試料を、通常、何の前処理操作も必要とせずに0.001から0.01 mgというごく微量用いるだけで、その定性、組成分析や分子構造解析を行うことができます。

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物性評価法

分光エリプソメトリー(Ellipsometry)

【測定できること...膜厚 / 誘電関数 / 屈折率 / 消衰係数 / 配向パラメータ / 転移温度 / 相対密度】

薄膜を用いた光・電子デバイスを研究対象とするとき、通常、その薄膜の膜厚や屈折率などの光学構造を決定する手法が必要となります。特に薄膜の膜厚が可視光の波長のオーダーに近い場合は、薄膜の膜厚や屈折率に応じて光の干渉現象が複雑に起こるため、その影響を正しく見積もる上でも、膜厚や屈折率の決定は非常に重要です。
分光エリプソメトリーは、基板上の薄膜に照射した光の偏光状態の変化から、薄膜の膜厚や屈折率などの光学構造を逆算する分析手法です。光の偏光状態という限られた測定結果からこれらの光学構造を逆算するために、まず薄膜の誘電関数をモデル化し、その誘電関数を用いて光の偏光状態の変化について理論的な光学計算を行います。この光の偏光状態に関する計算結果と実験結果との差ができる限り小さくなるよう、誘電関数モデル内のフィッティングパラメータを数値的に最適化することで、薄膜の誘電関数が決定されます。得られた誘電関数から、膜厚の光学定数(屈折率と消衰係数)が算出されます。また、光学異方性のあるモデルを用いることで、光学定数の異方性や配向パラメータを評価することも可能となります。さらに、加熱しながらエリプソメトリー測定を行うことで、膜の転移温度や相対密度変化を追跡することも可能です。

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熱分析(Thermal Analysis)
例えば、熱重量分析(Thermogravimetric Analysis: TGA)、示差熱分析(Differential Thermal Analysis: DTA)、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry: DSC)

【測定できること...結晶化温度 / 融解温度 / ガラス転移温度 / 相転移温度 / 熱分解温度 / 反応温度 / 反応熱 / 結晶化度 / Physical Aging】

熱重量分析(Thermogravimetric Analysis: TGA)と示差熱分析(Differential Thermal Analysis: TG-DTA)の同時測定により、融解や結晶化など重量変化を伴わない吸熱と発熱、熱分解や化学反応など重量変化を伴う吸熱と発熱を知ることができます。示差走査熱量(Differential Scanning Calorimetry: DSC)測定によりDTAから得られる結晶化温度、融解温度、相転移温度、ガラス転移温度、反応温度に関する知見に加えて、熱流曲線のピーク面積から熱量が求められ、熱量から結晶化度やphysical agingの評価などが可能になります。

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材料力学試験(Mechanical Test)

【測定できること...弾性率 / 力学強度 / 破断ひずみ / 破壊エネルギー / 疲労強度】

高分子材料に重りをぶら下げると伸びます。押し付けると厚みが減りますし、横たえた材料を二か所で支えて、真ん中に重りを載せると撓(たわ)みます。これらは各々、引張試験、圧縮試験、曲げ試験と呼ばれる力学試験法で、典型的な変形を対象にしています。これらの試験で得られる力学物性値(弾性率、引張強度、破断ひずみ等々)は、材料の基本的な物性であるだけでなく、その高分子の実用上の価値、適用範囲を判断する上で、大変重要になります。

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動的粘弾性測定(Dynamic Mechanical Analysis: DMA)

【測定できること... 貯蔵弾性率 / 損失弾性率 / 正接損失 / 周波数依存性 / 温度依存性 / ガラス転位温度】

私たちの研究では、あんこやクリームといった食品をスクリューで押し出して3D造形することに挑戦しています。このあんこやクリームはそのままにしておけば固まっていて流れませんが、変形によって流れるようになる食品です。これらの食品は、弾性も粘性も同時に測定されますし、それが円板を回転させる速さや、周期的に変える時の振幅や周波数で変化します。材料によっては、どんな変形速度の時に材料が弾性的な振る舞いから粘性的な振る舞いに変わるのを調べたりする必要があります。
こうした学問はレオロジーと呼ばれ、動的粘弾性測定は、変形によって硬さややわらかさが変化するような材料を調べる方法の一つです。

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屈折率(Refractive Index)測定

【測定できること... 屈折率(異方性、波長依存性、温度依存性) / 複屈折】

可視光または近赤外光の波長域で透明な高分子物質のバルク材または薄膜の屈折率を測定します。測定光を直線偏光とし、試料または偏光状態を回転することで、異方的な屈折率が測定可能となり、その差から複屈折が計算できます。また、測定波長や試料温を変えることで、屈折率の波長依存性(波長分散)や温度依存性(熱光学係数)の測定が可能となります。屈折率は相対的に測定精度が高く(すなわち有効数字が多く)、対象物質の密度変化に敏感であり、また複屈折から高分子鎖の配向状態を知ることができます。

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原子間力顕微鏡法(Atomic Force Microscopy: AFM)

【測定できること...表面構造 / 弾性率 / 粘弾性 / 凝着力 / 力学物性分布 / 構造ダイナミクス】

原子間力顕微鏡法(Atomic Force Microscopy: AFM)は様々な環境下(真空・大気・溶液)で高分子材料の表面構造や組成、力学物性(弾性率、粘弾性、凝着力)の分布をナノスケール分解能で可視化したり、力学物性の定量解析ができる手法です。また、高速化技術の進展により、高分子の構造動態をリアルタイムに撮影することも可能になりました。

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表面張力(Surface Tension)測定

【測定できること...表面張力 / 表面自由エネルギー / 臨界ミセル濃度(CMC)】

液面を縮めようとする力である表面張力は、単位面積あたりの表面エネルギーで表されます。そのため表面張力は「エネルギー/面積」の次元を持ちますが、一般的には「力/長さ」の次元で表され、mN/m(ミリニュートン毎メートル)という単位が使用されます。水に両親媒性物質を溶かすと、気―液界面に吸着して表面張力は低下します。この現象を利用して臨界ミセル濃度(CMC)を決定できます。

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表面力(Surface Force)測定

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生体関連分析法

光学顕微鏡法(Optical Microscopy)、蛍光顕微鏡法(Fluorescence Microscopy)

【測定できること...材料表面 / 二次元形状 / 細胞・細胞内小器官 / 分子分布 / 経時変化】

光学顕微鏡(Optical microscope)や蛍光顕微鏡(Fluorescence microscope)は、材料や細胞の二次元形状を、主に“直接観察する”ために用いられます。材料や細胞に光を照射し、透過もしくは反射する光を二組の凸レンズで拡大観察することによって、形状や分子の分布、それらの経時的な変化(タイムラプス)などの情報を得ることができます。

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共焦点レーザー顕微鏡法(Confocal Laser Scanning Microscopy: CLSM)

【測定できること...ゲルの網目構造解析 / マクロドメイン構造解析 / 高分子の局在解析 / 一分子解析 / 細胞の構造解析】

共焦点レーザー顕微鏡(Confocal Laser Scanning Microscopy: CLSM)は、高分子材料の内部構造を三次元的に観察することができます。例えば、高分子ゲルを観察すると、ポリマー濃度の高い領域の反射像を得ることができます。また、蛍光分子を高分子に化学修飾することで、蛍光標識高分子の材料内部の分布や細胞内部での局在を観察することができます。

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表面プラズモン共鳴法(Surface Plasmon Resonance: SPR)

【測定できること...膜厚 / 吸着量 / 吸着・脱着速度 / 分子間相互作用パラメータ(解離定数、結合・解離速度定数)】

表面プラズモン共鳴法(Surface plasmon resonance: SPR)は、表面への分子の吸脱着挙動を金属表面近傍の屈折率変化として非標識かつリアルタイムで追跡できる方法です。吸着分子の膜厚(吸着量)を測定できるほか、リアルタイム計測結果から吸着・脱着速度など速度論的解析も行うことができます。

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水晶振動子マイクロバランス法(Quartz Crystal Microbalance: QCM)

【測定できること...分子間相互作用測定 / 結合(解離)定数 / 結合(解離)速度定数 / 薄膜膜厚 / 表面吸着量 / 表面吸着物質粘弾性】

水晶振動子マイクロバランス法(Quartz crystal microbalance法: QCM法)は、センサー表面への物質の吸着量をngレベルでリアルタイム定量できる手法です。吸着の過程を解析することにより、分子間の相互作用の強さである結合定数や相互作用の速さである結合速度定数を算出することが可能です。また吸着物質の粘弾性の解析可能な装置も販売されています。対象は低分子から蛋白質、核酸、高分子薄膜に至るまで、ある程度質量のある物質であれば全て測定可能です。

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等温滴定熱測定(Isothermal Titration Calorimeter: ITC)

【測定できること... 結合熱 / 反応熱 / 結合親和性 / 結合エンタルピー変化量 / 結合エントロピー変化量 / 結合比】

等温滴定型熱量計(Isothermal Titration Calorimeter: ITC)は、一定温度下で滴定に伴う熱量変化を検出する装置で、主に分子間相互作用解析に用いられます。分子同士が結合する時に発生する微小な熱量変化を計測し、得られる滴定曲線から、結合比(n)、結合定数(Ka)、結合のエンタルピー変化(ΔH)を決定でき、さらに結合のGibbs自由エネルギー変化(ΔG)やエントロピー変化(ΔS)を一意的に算出できます。

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フローサイトメトリー(Flow Cytometry)

【測定できること...細胞計数 / 細胞の大きさ / 細胞周期 / 細胞表面マーカー解析 / 細胞分取 / 細胞内導入解析】

フローサイトメーターは、乱れの含まない流れ(層流)中で細胞を測定する装置です。つまり、細胞に傷害を与えないで流すための緩衝液(シース液)中で細胞1つずつを一列に並べ、レーザー光を当てて散乱光や蛍光を測定することにより細胞1つずつの情報を取得します。その用途は様々ですが、例えば、DNA量に基づく細胞周期評価、蛍光標識抗体を用いた細胞表面マーカー解析、蛍光標識高分子などの細胞内導入解析、特定細胞の分取などがあります。

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計算科学

射出成形CAE

【測定できること... 型内充填挙動 / 金型内冷却挙動 / そり変形 / 充填圧力 / 型締力】

射出成形CAEは、コンピュータ上で射出成形プロセス中の材料の挙動をシミュレートし、金型内における材料の流動パターンや圧力、温度を計算します。この計算結果から。金型内を流動する際に生じるウェルドラインやエアトラップなどの不具合を事前に予測することができます。また金型での冷却に伴う成形収縮やそり変形なども金型設計前に把握することができ、射出成形CAEの結果を金型設計や成形条件設定に反映させることで、成形立ち上げ時間の短縮に貢献することができます。

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高分子のデータ科学

【測定できること... 物性値予測 / クラス分類予測 / スペクトル予測 / 微細構造(画像)予測 / 分子設計 / プロセス条件最適化 / 逆合成解析】

高分子のデータ科学は、データから統計的な手法を用いて、高分子の構造・組成と機能・特性との関係を推定します。機械学習などの統計モデルを用いて、データから入力xと出力y間の関数関係 y = f(x) を求めることで、例えば高分子の構造xから特性yの予測を行うことができます。また、この関数の逆写像x = f -1(y)を求めることで、所望の特性yを有する高分子構造xの予測を行うことにより分子設計に用いることもできます。

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粗視化計算

【測定できること... 物絡み合い高分子の動力学・レオロジー / 半結晶性高分子の階層構造及び結晶化過程 / ミクロ・マクロ相分離構造・動力学 / 界面活性剤の自己集合での構造形成及びその動力学】

コンピュータ シミュレーションの目標の一つは、数学的モデルを用いて現実系の静的・動的物性を研究することです。 コンピュータプロセッサは継続的に高速化され、またその計算力は徐々に利用しやすくなっています。 しかし、巨視的系は通常、アボガドロ数程度の副単位(原子、分子など)で構成されています。 多くの巨視的系では、対象となる現象が複数の空間スケールおよび時間スケールで発生し、非常に遅い運動と長い緩和時間を伴います。 巨視的系のこれらの特性により、高分子系の動力学・レオロジー・成形加工、半結晶性高分子の階層構造及び結晶化過程 (Hierarchical structure of and the crystallization process in semi-crystalline polymers)、ミクロおよびマクロ相分離 (Micro and Macro phase separation)、界面活性剤の自己集合(Surfactant Self-Assembly)、生体膜 (biomembranes) およびタンパク質のフォールディング (Protein Folding)、などの多くの現象を全原子論的アプローチで解明することは、ほとんど不可能になります。 粗視化を使用してさまざまな空間および時間スケールで発生する現象を適切に記述できる階層的モデルを開発するのは、複数スケールで発生する複雑な現象を理解するための 1 つの経路になります。さらに、粗視化モデルを使用したシミュレーションは、連続体スケールでの構成方程式に必要な入力パラメータを直接提供し、原子スケールと連続体スケールを結びつけます。

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分子動力学計算

【測定できること... 分子運動の軌跡 / 動力学解析 / 自由エネルギー / 相互作用解析 / 破壊シミュレーション】

分子動力学計算は、原子一つ一つにかかる力を計算することにより、ニュートンの運動方程式に従って粒子の位置を時間発展させる手法です。つまり、原子一つ一つの軌跡を追跡することができます。得られた軌跡データと統計力学理論を組み合わせることで、自由エネルギー、界面張力、赤外吸収スペクトルなどの実験値と比較できるデータを得ることができます。

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量子化学計算

【測定できること... 電子状態 / 安定構造 / 結合エネルギー / 導電性 / 磁性 / (非線形)光学特性 / 光・化学反応 / 遷移状態 / 励起状態 / 分子振動】

量子化学計算は、量子力学のシュレーディンガー方程式に基づいて対象系の電子の挙動を調べる理論手法です。電子に関連した様々な物性(導電性、磁性、光学特性等)や現象(化学反応等)を調べることができます。その中心的理論である分子軌道法において、結果として得られる分子軌道や軌道エネルギーなどを解析することで物性・現象の原因を電子レベルで探究することができます。計算コストが大きいため、通常は比較的小さな分子系について用いられる量子化学計算ですが、高分子への適用においても様々なアプローチが存在します。

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