Summary

第34期会長に就任して
〜未来を志向する高分子学会〜

 

 高分子学会は、高分子およびその関連分野における研究者・技術者が集い、情報の交換・発信と、人材育成を行い、学問・技術・社会の発展に貢献する組織です。高分子学会が創立されたのは1951年であり長い歴史を有しています。高分子学会の伝統と現状を踏まえて、高分子学会を多様な会員にとってより魅力的かつ国際的で、また、社会にも必要とされ、未来を志向する学会になるように努力いたします。また、会員の皆さん同士のネットワークを構築して、さらに広範な領域の専門家や市民・世界中の方々と、高分子や関連の分野に関する夢を語れる場にいたします。小中高生や非専門家そして社会には、高分子や関連の材料が日常生活や社会でどのように役立っているかについても伝えていきたいと考えています。

第34期 高分子学会 会長
加藤 隆史

 
 

行事および出版・ホームページをより魅力的に

  年次大会や討論会および、ポリマー材料フォーラムについては、時期・テーマ設定などを検討して、参加者にとってより満足できる情報発信・交流の場にしていきます。国際化や他学会との連携も推進します。年次大会や討論会などの開催時期については、会員にとってベストな時期をよく考えながら、それに対応できる体制を構築します。さまざまな講演会などにおいてもタイムリーな内容を会員に提供します。

 私の最初の学会発表は、大学院生になりたてのときの高分子学会の年次大会での発表でした。高分子学会の行事によって研究者として育てていただき、また、多くの方々と高分子学会の行事で知り合うことができました。バーチャルではなく実際に会って話をして交流する良き伝統を引き継ぎ、さらに発展させる素地を作りたいと考えています。

 高分子学会には重要な定期刊行物があります。これらの状況を見直して、新しい発展形にしたいと考えています。PolymerJournal誌は高分子科学分野における世界の主要誌に育てます。「高分子」は、学会と会員の架け橋として機能を充実させます。Webinarもさらに魅力的になるように努力します。また、高分子の基礎的理解は、応用・実用化の鍵ですが、高分子の基礎教育も出版・Webinarコンテンツとして充実させます。ホームページは、リニューアルして会員がより有用な情報にアクセスしやすい、また、高分子関連の情報を発信できるものにしていきたいと思います。これまで大きな成功をおさめている高分子未来塾®も引き続き発展させます。
 
 

交流の促進:産学連携・異分野融合・国際交流を より活発に

産学連携

高分子学会は会員の約半数が産業界のメンバーであるという特徴をもっています。このような特徴を活かして、産学交流を積極的に推進していきます。同友会と、より積極的な連携・交流を図ります。たとえば、学会の会員の優れた研究を同友会メンバー、産業界に紹介し、産学連携をより活性化する仕組みを作りたいと考えています。

異分野融合

高分子科学は体系的な学問として成長してきました。さらに、新しい高分子研究の流れを生み出すべく、従来の高分子の範疇に入らないが同じ考え方のアプローチが可能な材料の分野とも連携を進めます。高分子材料および関連のデバイス・エネルギー・環境・医療などの分野のさらなる発展につながればと考えています。

国際交流

高分子科学に関する世界の研究者・技術者との交流は、わが国の科学技術の発展にも、世界で共通の問題解決にも重要です。そのために、国際交流を、世界レベルで推進します。国際会議などの開催・共催や、代表団としての派遣・受け入れを積極的に行います。

 
 

人材育成およびアウトリーチ・社会貢献を未来のために

  産官学および若手とベテランが一緒になって創っていく新しい高分子学会を目指し、その中から人材育成を進めていきたいと考えています。世界に視点をおき、アジアおよび欧米の若手研究者との連携も進めます。

 支部・同友会・研究会・若手研究会などとの直接対話も進めていきます。このような取り組みを行いながら、高分子学会の会員数や財政の問題とも取り組んでいきたいと考えています。これから、会員の皆様、事務局と協力しながら、責任をもってコミットし続けていきます。ご支援とご協力のほどよろしくお願いいたします。
 
 
加藤 隆史 / Takashi Kato
東京大学大学院工学系研究科化学生命工学専攻,教授,工学博士.
[略歴]1988年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了,工学博士.東京大学工学部助手,東京大学生産技術研究所講師,東京大学大学院工学系研究科助教授を経て,2000年東京大学大学院工学系研究科教授.
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